診療案内

重度後遺障害者短期入院協力事業実施要領

1.目的

自動車事故に起因する遷延性意識障害などによる重度後遺障害者の多くは、在宅で家族による介護を受けながら療養しており、これらの重度後遺障害者は医療機関において診察、検査、リハビリテーションを受け、また患者家族にとっては、在宅介護技術やケアの方法について医療機関から適切な指導、アドバイスを受けることによって、より安心して在宅療養ができることが望ましい。
 このため、当院においては、積極的に在宅の重度後遺障害者の短期入院の受け入れを行い、これらの重度後遺障害者の病状把握、在宅介護による病状の改善、介護技術の向上を図ることを目的とした医療的な支援を通じて、在宅の重度後遺障害者に関する医学的知見に基づく問題点の発掘、解決方法の検討を行うことを目的とする。

2.実施主体

 当院が実施する。

3.受入対象者

 本事業の対象者は、当面、在宅で療養生活を送る独立行政法人自動車事故対策機構が認定する介護料受給資格者であって、あらかじめ当院に事前に登録(相談・調整)した者(以下「対象者」という。)とする。

4.実施内容

(1)次の体制を整備する。

  1. コーディネイターの選任、実施計画の策定
     コーディネイターは本事業の全体設計・進捗管理、スタッフ研修計画の策定、対象者の登録、受入れ計画の策定、対象者の受入れ日程調整、退院時・退院後の利用者・介護者へのフォロー
  2. 入浴設備、介助器具等の整備
  3. スタッフ研修の実施
     遷延性意識障害者の病状の理解、全身管理のあり方・手法の検討、介護技術研究、リハビリ内容の検討、患者家族に対する介護指導、薬事指導、食事指導等
  4. 受入れ窓口の整備
     受付け窓口の設置、診察日程管理(対象者ごと)
  5. 事業の実績把握、評価検討体制の整備
     実利用人員・延利用人員・延べ利用日数の把握、ケーススタディ、事業を通じた問題点の発掘、解決方法の検討に向けた体制の整備
  6. 関係機関との連携体制の整備
      国土交通省への必要に応じた事業に関する相談、研修・設備等整備の相談・補助事業申請等、独立行政法人自動車事故対策機構への相談受付(相談・問合せで終わったケース、受入れをお断りしたケースを含む。)・受入れの都度に受入対象者であるかどうかの確認、相談案件・利用実績等の報告、必要に応じた利用対象者の交流会への参加、病院見学会の開催に向けた体制の整備

(2)次の業務を行う。

  1. 対象者の病状の把握等
     医師による診察・検査を行い対象者の病状を把握し、その結果、医師が入院加療することが必要と認めた場合、医師が判断した期間内入院させ医学的管理の下で必要な医療行為を行う。
  2. 介護を行う家族に対する指導・アドバイス
     在宅介護を行う家族に対して、対象者の症状に応じた適切な在宅介護技術(病状観察法、入浴法、食事法等)の指導・アドバイス
  3. 対象者の経過観察
     医師による診察・検査の結果、入院加療の必要性が認められない場合は、院内施設を利用して対象者を医学的管理の下で経過を観察しながら、在宅介護を行う家族に対して、対象者の症状に応じた適切な在宅介護技術(病状観察法、入浴法、食事法等)の指導・アドバイス
    なお、観察期間内において、対象者に対する治療が必要と医師が認めた場合は必要な治療行為を行う。
  4. 事業の実績把握、評価検討
     実利用人員・延利用人員・延べ利用日数の把握、ケーススタディ、事業を通じた問題点の発掘、解決方法の検討
  5. 利用者、介護者へのフォロー
     退院時の入院中の経過や出来事の報告、退院後の必要に応じた連絡
  6. 関係機関との連携
    国土交通省への必要に応じた事業に関する相談、研修・設備等整備の相談・補助事業申請等、独立行政法人自動車事故対策機構への相談受付(相談・問合せで終わったケース、受入れをお断りしたケースを含む。)・受入れの都度に受入対象者であるかどうかの確認、相談案件・利用実績等の報告、必要に応じた利用対象者の交流会への参加、病院見学会の開催

5.対象者の受入期間

 受入れから帰宅までの期間は原則として14日以内とする。
 なお、医師が認めた期間が14日を超過する場合には、受入れ体制を勘案して当院が判断する。

6.医療保険の適用

 対象者の病状を把握した結果に基づく医学的知見の下、当院が対象者ごとに及び受入れの都度、個別に判断する。

7.受入病床の決定

 対象者の病状を把握した結果に基づく医学的及び看護ケアの知見の下、当院が対象者ごとに及び受入れの都度、個別に判断する。

8.個人情報の利用

 利用者・介護者に対して、国土交通省及び独立行政法人自動車事故対策機構に利用対象者の個人情報を提供すること(上記4.(2)⑥関連)を口頭(または書面)で同意を得る。なお、個人情報の提供に関する同意を得られない場合は、病院の個人情報保護方針に基づき、提供可能な範囲で国土交通省及び独立行政法人自動車事故対策機構に提供する。

9.施行日

 本実施要領は、平成29年10月1日より施行する。


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